バックハンドが打てないとどうなる?
フォアハンドばかり練習していませんか?
片手?両手?どっちがいいの?
バックハンドの重要性について知ろう!
そもそもバックハンドとは?
バックハンドとはバックハンドストロークのことを主に指します。
聞き手の逆側にきたボールに、両手もしくは、片手でボールを返球する打ち方です。
逆に聞き手側で打つ方法をフォアハンドといいます。
右利きの人は右側をフォア、左側をバックで処理するイメージで覚えてください。
左右で全く違うボールの打ち方をするので、これがテニスの戦略性を高めて面白くしている一つの要員でもあります!
ほぼ全員が苦手なショット?
さて皆さん、バックハンドは得意ですか?
こう聞かれてほとんどの人が「苦手」と答えると思います。
私もどれだけ練習しても苦手意識は拭えません。
これは、相違なく上級者やプロでも苦手意識を持っている人が多いです。
うまくなって試合に勝っても、その次の相手はもっと強い球を打ってくるので、永遠に苦手です・・・
バックハンドの使用頻度はどのくらい?
試合でバックハンドを使う頻度はどのくらいでしょうか?
データによるとプロでも、7割以上をフォアハンドで打つそうです。
シングルスだと真ん中に立っているので、普通に考えれば半々になりそうですが、
技術を極めたプロでさえ、できるだけ回り込んでフォアハンドで打ちたいということになります。
走る距離が伸びててでもバックハンドで打ちたくない・・・
プロでもそうなら少し安心しますね!
バックハンドの重要性
プロでも7割以上をフォアハンドで打っている。
きっとアマチュアの我々も割合はそう変わらないでしょう。
試合中3割程度しか使わない技術の習得に意味あるの?フォア強ければいいじゃない?
いえいえ、練習する意味は大いにあります。
バックハンドが使えないままになるとどうなるか、解説していきます。
自分で苦手だと思うことと、相手から見て苦手に見えることは違います!
戦略に偏りが生じる
まず一つ目は、「戦略に偏りが生じる」です。
そもそもバックハンドで強く打てない、まともに返せないなどの状態だと、取れる戦略がものすごく限られてきます。
相手からしてもワンパターンで攻めてくる相手には脅威をさほど感じません。
良いフォアハンドを持っていても、それを活かすにはどうしてもバックハンドが必要になってきます!
相手に苦手だと悟られないくらいには、練習しよう!
メンタルが削られる
相手のレベルが少し上がってくると、バック側、フォア側に打ち分けてくるようになります。
バック側にボールが来るたびに、『返せるかな?嫌だな、やめてほしいな』と思っているとそれだけでメンタル(精神ポイント)が消費していきます。
メンタルは強い弱いではなく、上限があり、不安やマイナスな感情を思うたびに減っていくものだと認識しましょう。
常に不安がある状態は、相手にメンタルをコントロールされてしまっている状態になるので、主導権を握ることが困難になります。
メンタルの消費を避けて、無駄遣いをせずにできるだけ温存できるようにしよう!
スタミナの消費が激しくなる
バックハンドができないと試合中スタミナの消費も激しくなります。
メンタルに引っ張られてスタミナも消費
バックハンドに苦手意識があり、それがメンタルに影響し不安を覚えると、身体が緊張して、より多くのスタミナも一緒に消費します。
メンタルとスタミナは密接な関係にあり、相互に作用します。
精神に不安があると、どうしても身体に影響します!
バックハンドが苦手すぎて、バック側に寄りすぎる
もうひとつはやっている方はそんなに多くありませんが、見かけることがあります。
バック側に打たれることを恐れるあまり、バックハンド側に大きく詰めてしまうプレイヤーがいます。(得意なフォア側を大きく空ける戦略)
無意識でやっているのか、意識的にやっているのかは分かりませんが、絶対におすすめしません。
大きくスペースを開けているフォアハンド側に打たれると、より長い距離を走らなければならず、当然スタミナが削られます。
あとは、戦略も大きく狭まり、できることが激減するので、苦手でも真ん中に立つようにしましょう。
バック側にボールが集められた後、フォア側にフィニッシュ!なんて笑えない失点が普通に起きます。
そもそも試合に勝てない
- 戦略に偏りが生じる
- メンタルが削られる
- スタミナの消費が激しくなる
これら3つがあるとすでに試合で勝つのは相当難しくなります。
試合で勝つためにもバックハンドストロークを練習しましょう!
バックハンドの種類
バックハンドストロークの種類は大きく分けて2つ
- 片手バックハンド
- 両手バックハンド
があります。
片手バックハンド(ワンハンド)ストローク
片手バックハンドは文字通り、片手のみのでバックハンドストロークを打つことです。
主に、聞き手の逆側の筋肉を使ってラケットを扱います。
(フォアハンドと逆の筋肉を使います。)
歴史の長い技術で、ウッドラケットの頃から主流の技術でした。
現代テニスにおいても、片手バックハンドの使い手のトップ選手は多数存在します。
しかし、習得難易度が高く、現代のトップスピンと環境の高速化により、使い手は現象傾向にあります。
それでも、『美しい、かっこいい』と人気の高い技術です。
一言で表すならば、『ロマン』そのものです!
両手バックハンド(ダブルハンド)ストローク
両手バックハンドは文字通り両手でラケットを握ってストロークを打ちます。
両手打ちだと安定しやすく、また習得も比較的簡単なことから、現代テニスでは
両手バックハンドの方が多い印象です。
練習に割ける時間も無限ではないため、習得が早いということは、大きなメリットになります!
片手・両手 一般的に言われているそれぞれの特徴
一般的に言われている特徴
一般的に言われているそれぞれの特徴について説明します。
個人によっても様々なので、当てはまらない場合もありますが、あくまで一般的な特徴を説明します。
片手バックハンド
- リーチが長い
- 打点が前
- タイミングがシビア
- 高い打点に対応しにくい
- 習得難易度が高い(試合で使えるレベルまで)
両手バックハンド
- リーチが短い
- 打点が後ろ
- 急な対応がしやすい
- 高い打点も打ちやすい
- 習得が比較的簡単(試合で使えるレベルまで)
とりあえずの特徴の一覧です。
細かい考察はここではしませんで、また別の機会にいたします。
初心者におすすめは?
初心者におすすめするなら、圧倒的に両手バックハンドです。
まず、個人的に片手バックハンドの習得には、高いテニスセンス、適性、膨大な練習量が必要だと思っています。
(しっかり武器として使えるレベルになるまでには、と言うことです。)
極めるには両方とてつもない努力が必要になりますが、初中級クラスでは、両手の方が無難だとおもいます!
じゃあ、たくさん練習すればいい?
確かに、練習量が多く取れるのであれば、片手バックハンドの習得に力をいれても良いと思います。
しかし、試合に勝つためには一つの技術だけではなく、多くの技術を練習しなければなりません。
効率を考えるのあれば、比較的習得が簡単な両手バックハンドにして、他の技術に習得に時間を増やす方が良いと言えます。
昔はみんな片手バックハンド?
今の若い人は両手バックハンドから入る人が多いですが、少し昔の時代では、断然片手バックハンドが主流でした。
主な理由は、今のラケットほど反発力が強くなく、回転もかけにくかったからです。
ボールが今より飛びにくいとなると、回転をかけずに打つ方が効率的に打てました。
ボールが飛びにくく、フラット主流だと、両手より片手の方がボールを飛ばしやすかったと言うことです。
片手バックハンドをお勧めしない理由
お勧めしない理由は、前項で説明した点も含めていくつかあります。
- 習得にものすごく時間がかかる
- 結局スライスに逃げるようになってしまう
- 近くに教われる人が少ない
- ロブや緩い球に対応しづらい
- モーションが大きく、打点も前のため、正確なボールの予測が必要
習得にものすごく時間がかかる
一番の理由はこれです。
とにかく難しい、とにかく習得に時間がかかることです。
小さい頃から始めれれば問題はないですが、大人になってからテニスを始める方などは、時間を多くかけることは難しいため、
両手バックにした方が無難と言えます。
毎日壁打ちができる環境があったりする場合は別ですが、片手バックを極めるには相当な覚悟が必要だと認識する必要があります。
試合に勝つためには、バックハンド以外の技術も重要なため、その他の練習にも時間を割く必要があります。
結局スライスに逃げるようになってしまう
片手バックハンドで陥りやすいのが、スライスしか使えなくなるということです。
片手で打つバックハンドスライスは片手バックハンドとは相性が高く、トップスピン・スライスと打ち分けられれば、試合で強い武器となります。
しかし、片手バックハンドでトップスピンを正確に打つことは難しく、中途半端な精度で試合にのぞむと、試合でミスを遅れてトップスピンが打てなくなります。
ここで、習得の難しさの壁が立ちはだかります。
結局、バックハンド側に来たとくは、スライスでしのぐだけになりがちです。
習得を目指すのであれば、しっかりトップスピンも試合で使いこなせるレベルまで持っていくことが重要です。
片手バックハンドの良さは、トップスピン・スライス合わせてのものです。片方だけしかしないのであれば、良さが半減してしまいます。
近くに教われる人が少ない
「教えてもらえる人が少ない」これも習得にはばかる障害となります。
探せば片手バックハンドの人はいると思いますが、それが武器にまでなっている人は多くないです。
スライスを多用せず、力強い球をうてる片手バックハンドの使い手はかなり希少です。
テニスの上達には、イメージトレーニングが欠かせません。
近くにテニスが上手な人がいると、自分も打てるイメージが付き、上達が早いです。
しかし、片手バックの良い使い手が近くにいる場合は少ないです。
プロの映像等だけでは、細部まで知ることができないので、やはり近くでのイメージが重要となります。
「イメージしづらい、教えてもらえる人が少ない」これは大きな習得の障害になり得ます。
もし運良く近くにいる場合は、片手バックハンドを習得できる可能性が大きく上がります!
ロブや緩い球に対応しづらい
これも練習によって克服はできますが、やはり片手バックハンドの構造上対応しづらいです。
特に初中級の場合は、力のないボールや弾道の高い球が飛んでくることが多いです。
「甘いボールには、回り込んでフォア!」ができる人はいいですが、初中級者のうちはなかなか難しいかと思います。
これは、障害と言うほどではないですが、挫折しやすい要員の一つではあります。
回り込めない深いロブは本当にかえしづらい・・・
モーションが大きく、打点も前のため、正確なボールの予測が必要
これは片手バックハンドのいいところでもありますが、初中級者にはハードルが上がる要員となります。
まず、片手バックハンドは構えるときにしっかりと前足を決めて肩を引く必要があります。
両手バックハンドに比べて、準備に少し時間がかかります。
加えて打点も前であり、振り始めのタイミングも両手バックより少し早いです。
そのため、時間の余裕がとにかく少ないです。
ということは、両手バックに比べて、ボールの見極めをより早くする必要があります。
目に自信がある人は良いですが、見極めるのに自信がない人には勧められません。
もちろん経験よってカバーできるものではあります。
レベルが上がり打球スピードと回転量が上がってくると、早めの予測はかなりしんどいです・・・
片手バックハンドは弱いのか?
ここまで書くと片手バックハンドは、もうだめなのか?と思われる方もいるかもしれませんが、決してそういうことではありません。
片手バックハンド特有の強さがあります。
一番の強さは、大きくスイングが取れることによる、スイングスピードの速さです。
つまりスイングスピードの速さにより、強烈なトップスピンとスピード(推進力)を両立することができます。
トッププロの片手バックハンドの弾道をみると、ネットの高い位置を通過してライン側に急降下します。
これは、とてつもないスピン量がかかっている証拠で、両手バックハンドではなかなか出せない球質です。
習得の難しさなどにより、あまり初心者にお勧めしていないだけで、極めることができれば、他との差別化にもなり、自分だけの武器にもなります。
ただ、極めるのが本当に難しい技術ですので、メリットを享受するまでには時間がかかることは覚えておきましょう。
テレビの画面でみると弾道の高さはわかりにくいですが、選手と同じ目線のカメラでみると一目瞭然です!
片手バックをお勧めできる人!
もちろん片手バックハンドをお勧めできる人もいます。
それが下記に当てはまる人です。
- 憧れている選手が片手バックハンドを使用している
- 軟式テニス上がりの方
- 攻撃性・威力を求める方
- とにかくかっこよさ、ロマンを求める方
順に説明いたします。
憧れている選手が片手バックハンドを使用している場合
憧れの選手が片手バックハンドを使用していて、自分もそれに近づきたい場合は、迷うことなく片手バックハンドを選んでも良いと思います。
好きであれば、習得への強いモチベーションにもなります。
そして一番大事な自分が打てるイメージも持ちやすいので、お勧めします。
ただ、テレビ中継されるような大きい大会で成績を残す選手は、小さい頃からとてつもない練習量・他を圧倒する才能があるので、再現するのは簡単ではありません。
しかしチャレンジしてみる価値はあると思います!
いまわたしの願いごとが叶うならば、
ワウリンカ選手のような片手バックが欲しい(本気)
軟式テニス上がり
私も軟式テニスをやっていたため、最初は逆に両手バックハンドに違和感を持っていました。
軟式テニスでは全員が片手バックハンドです。
理由は、軟式テニスでは両手で強いボールを打つのが、ほぼ不可能だからです。
そのため、軟式テニスから硬式テニスに挑戦される方は、そのまま慣れ親しんでいる片手バックハンドの道を進んでも良いと思います。
ただ、握りが少し違うことと硬式はラケットが重いので、軟式のような振り方はできないことを理解しておいた方が良いと思います。
攻撃性・威力を求める方
やはり、片手バックハンドの魅力・メリットと言えば、攻撃力にあると私は思います。
加えてコースが非常に読みにくく、同じようなフォームでスライスも打ち分けることができます。(極めれれば)
そのため、「自分から仕掛けたい、高火力で押したい」プレイヤーに向いています。
そのレベルまでいくのは、並大抵の努力では難しいですが、理想のプレーがそちらに近い方には、片手の道を選んでも良いと思います。
当てるだけの片手バックにはならないようにしよう!
片手のメリットはやはり大きいスイングによる火力の高さにあります!
とにかくかっこよさ、ロマンを求める
片手バックは「かっこいいから、ロマンを求めて習得する」でも個人的にはいいと思います。
テニスは仕事ではないので、自分のやりたいようにやるのが、結局は一番です。
片手バックハンドは、華があり、人を魅了する力があります。
それも求めてやるのもまた、ありだと思います。
挫折してたら、両手バックハンドに戻ってもいいですし、私もそのタイプです。
夢やロマン、それが一番大事!
それぞれのバックハンドの代表的な有名選手
片手バックハンド
- ロジャー・フェデラー
- スタン・ワウリンカ
- リシャール・ガスケ
- ドミニク・ティーム
両手バックハンド
- 錦織圭
- ノバク・ジョコビッチ
- ラファエル・ナダル
- アンデイ・マレー
- ダビド・ナルバンディアン(引退)
初心者向け お勧めのバックハンド練習法
最後に、初心者向けの一人でできるバックハンドの練習法をお伝えします。
ベースラインにたち、ボールを肩の高さあたりから落として、ワンバウンドしたボールを相手コートまで、打ってください。
これだけです。とても簡単な練習ですが、初心者には難しく感じる人もいると思います。
これが難しい原因は、ボールの勢いが「0」の状態から、自分で力を加えてコントールするからです。
相手のボールに影響されず、全て自分の力がボールに伝わるため、コントロールの難易度が高いです。
この練習が初心者には、一番良いと思います。
相手の力に影響されず、自分でコントロールする力を身に付けましょう!
止まっている球を打つのは思っているより難しい!
まとめ
バックハンドについて説明していきましたが、いかがでしたか。
片手・両手 それぞれに良さがあります。
おすすめするのは、両手バックハンドですが、自分が好きな方を選ぶと良いと思います。
たくさん練習して、バックハンドを武器にできるように一緒にがんばりましょう!
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