あんまり良い行いではないのだけれど、試合でどうしても調子が出ないときありますよね。
とにかく緊張しているときや、どうしてもリズムがおかしいとき。
そのまま負けてしまっては元も子もないので、少しでも足掻く方法をお伝えします。
あんまりやると本当に嫌われてしまいますが、適度にやる分には十分戦略と言えます。
では、見ていきましょう。
調子が悪いときにするべきこと
調子が出ないときには何をすべきでしょうか。
プロのように3セットマッチであれば、まだ途中で立て直せるかもしれませんが、私たちが出るような、普通の試合はだいたい6ゲーム1セットマッチです。
少し調子が悪いだけであっという間に試合が終わってしまいます。
調子の悪さが体調の悪さからくるものなのか、準備不足からくるものなのかは、その日によって違いますが、
時間の余裕と精神的な余裕があれば少しは調子を戻せるので、いかに時間を稼ぐか、いかに精神的な余裕を生むかを考えていきましょう。
アマチュアの試合は準備ができない
ほとんどの試合に共通していますが、レベルの高い上位トーナメントの試合以外で、試合前にアップの時間が用意されていることは、ほとんどありません。
せいぜい許されているのはサービス4本程度でしょうか。
選手は、試合がきたら準備もままならないまますぐにコートに入って試合をしなければなりません。
プロと違って、練習用のコートで準備を万全にしてから試合に臨むというのは、現実問題なかなか厳しいものがあります。
試合会場に行って、その日の初打ちが、いきなり試合ということも珍しくありません。
そんな中でベストなプレーをするのは不可能に近いとも言えます。
であれば、試合中に少しでも時間を稼ぎ、体を温め、ボールに目を慣らし、コートの感覚を知り、ラケットとボールの感触を確かめる必要があります。
そのためには、試合展開をゆっくりにするか、ポイント間の時間をできるだけあけることになります。
公式には、ポイント間の時間は審判が管理しますが、審判付きの試合に出ている人はおそらくこの記事の読者にはいないと思います。
そのため、ほとんどの試合がセルフジャッジ(自分のコート内は自分で判断する)によって行われています。
セルフジャッジだと時間を管理する人がいないので、ポイント間の時間はある程度自由が効きます。
(※注 遅延行為とみなされる程、時間をとるのはルール違反ですのでご注意を)
早く終わって欲しい運営、少しでも長く試合をしてたい参加者
運営側の視点からみると、テンポの遅い試合は好まれません。
運営の責任は、予定をたてたスケジュール通りに試合を消化することなので、正直序盤の試合がサクサク終わることが一番、望ましいです。
つまり運営側からすると泥仕合は歓迎されないということです。
しかし、トナーメント方式の場合は、参加者にとっては0−6なんかで負けると、9時に来て、9時15分に帰るなんてことが普通にあります。
相手が強すぎて負けるのであればまだいいのですが、全く力を出せずに惨めに負けて帰ると言うのはいささか悲しすぎます。
不完全燃焼のまま家に帰るのは、テニス好きとしてもやっぱり辛いものがあります。
準備があまりできない試合でも、少しでも長くコートにいて、少しでも調子を上げ、少しでも勝つチャンスを作れるのであれば、それを試す価値はあります。
試合での時間の作り方
時間の作り方には2種類あります。
ポイント中の時間を長くする方法と、ポイント間を長くする方法の2つです。
ひとつづつ見ていきましょう。
ポイント中の時間の稼ぎ方
ポイント中で時間を稼ぐ方法は、
・自分からミスをしないこと
・緩い球や高い弾道の球を打ちペースを落とす
の2つです。
ミスせずに緩い球を打ち続けられれば、それだけで相手が自滅して勝てる場合もでてきますので、初戦などで体が慣れていない場合はこの戦術が有効です。
とはいえ、これができれば苦労しないよ!という意見もありそうなので、お次は誰でもできるポイント間の時間の稼ぎ方です。
ポイント間で時間を稼ぐ方法
どうしても調子が悪すぎて、どうにもならないと言うときにはこれを試しましょう。
・ボールを取りに行くときに走らない(ゆっくりラケットの面を見つめながら歩く)
・相手にサーブをテンポよく打たせない(一球ずつしっかり精神統一するために後ろを向いてラケットの面を見つめる)
・鬼のボールつき(サーブのときのボールをつく回数を増やす)
・サーブのトスを気が済むまで上げ直す(ほどほどに)
・靴紐を結びまくる(あんまりおすすめしない)
・サーブを打つ前のボールつきで、足に当たちゃったふりをして取りに行く(あんまりおすすめしない、演技力必要)
・フレームにあてて場外に飛ばし、自分でボールを探しに行く(やらない方がいい、バレると軽蔑される)
以上になります。
下に行くほど、あんまりおすすめできないので、家族が人質にとられててやむ得ない場合などに限り、使用してください。
一応、ひとつずつ解説をします。
ボールを取りに行くときに走らない
ボールを取りに行くときにはどんなときも走らないようにしてください。
ポイントとポイント間のメリハリをつける上で、非常に大切な行動になります。
走るのは試合だけにして、ボールを取りに行くのはゆっくり歩くようにします。
人間の集中力は試合中、常には持たないので、ポイント中だけ集中するようにしなければなりません。
そのため、ポイント外での行動はリラックスできるような行動に限定する必要があります。
周りの目がどんなに気になっても、ボールを取りに行くときはゆっくり呼吸をしながらラケットを見つめるなどして、精神を整えることに集中するようにしましょう。
走らなければいけないマナーもルールもテニスにはありませんので、気にする必要はありません。
相手にサーブをテンポよく打たせない
相手のサーブが調子がいい場合は、ポイント間の時間を少しとるようにしましょう。
基本的には、リターン側の準備ができたことを確認し、サーバー側がサーブを打ちます。
そのため、上手くリターンができないときや相手のサーブにうまく合わせられないときは、リターンの準備に少し時間をかけましょう。
心の準備ができていないまま構えて、サーブを打たれることほど無駄なことはありません。
おすすめは、ガットを直しながら後ろを向いて精神を整えることです。
後ろを向いていれば明らかに、準備ができていないことが相手もわかるので、間違えて打たれることはありません。
遅延行為になるほど、やるのはおすすめしませんが、サーブを打つときと同じようにリターンする時もしっかりと時間を作って、精神を整えるようにしましょう。
鬼のボール付き
サーブの前にボール地面につくときに、いつもより長めにボールをつくというのおすすめです。
ルーティンなので、毎回同じ回数をついた方が良いという意見もありますが、あのBIG3のラファエル・ナダル選手も大事なポイントではとにかく長くボールをつきます。
たびたびコートバイオレーション(ポイント間25秒以内で打たなければならないルールに違反)を取られる姿もありますが、
それでも1ポイントに対する集中力と執念が圧倒的な強さを生んでいるといっても過言ではありません。
(ナダル選手はコートバイオーレーションに大して試合後に「いいプレーがしたいのなら、選手には一息つく時間が与えられなければならない。私たちは思考能力のない機械ではない。」とコメントを残したことがあります。)
サーブの打てる万全の準備ができるまで、ボールをついてリズムを整えるのも戦略の一つです。
調子が出ないときにも鬼のボール付きは有効です。
サーブのトスを気が済むまで上げ直す
サーブが乱れているときは、トスが乱れている場合が多いので、上手く上げられなかったときは、無理に打つべきではなく、もう一度上げ直すべきです。
上げ直せば上げ直すほど、乱れてしまう場合もあるので、一回につき2〜3回で抑えるようにましょう。
上げ直しされると相手は結構疲れます。
戦略的にやれば相手の調子を下げることもできそうですが、それはやらない方がいいと思います。
靴紐を結びまくる(あんまりおすすめしない)
他に時間を作る定番として、靴紐を結び直すという方法があります。
私的には、おすすめはできませんが、結構長い時間作れることは作れます。
あまりよくないと思う理由は、シューズは試合前に完璧にして解けないようにしておくべきなので、
試合中に解いて結んでとやっていると足がしっかりホールドされずに、プレーのクオリティが下がる場合があるからです。
基本的にシューズの紐は試合前に完璧にしておきましょう。
サーブを打つ前のボールつきで、足に当たちゃったふりをして取りに行く(あんまりおすすめしない、演技力必要)
サーブを打つ時にルーティンとしてボールを地面につくプレイヤーが多いと思いますが、
ほんとにたまに自分の足に当たってしまってボールが転がっていってしまうことがあると思います。
それをハプニングを装って自分であえてやり、時間を稼ぐ方法です。
これも演技力が必要なのと、下手すれば隣のコートにまで迷惑がかかるので、おすすめはしませんが、時間は結構稼げます。
試合中使えて1〜2度の技だと思います。
フレームにあてて場外に飛ばし、自分でボールを探しに行く(やらない方がいい、バレると軽蔑される)
時間を稼ぐ方法には、全くおすすめはしませんが、あえてフレームショットをして場外まで飛ばす方法があります。
これはとても高度な技術が必要とされるので、試合中に自然にやるにはかなり難易度が高いです。
その後自分でボールを探しにいけば、とても長い時間を稼ぐことはできます。(この時はさすがに走って取りにいきましょう)
下手するとボールがロストしてしまうのと、ポイントもロストしまうので、リスクも高いです。
よっぽど高い技術と演技力がないと不自然になって、本当に軽蔑されてしまうので、くれぐれも使用には注意が必要です。
家族が人質に取られていて、どうしても時間が稼がなくてはならないような場合に限り使用しましょう。
もちろんやってはいけないこともある
勘違いしない欲しいのは、テニスはあくまで紳士のスポーツであることを忘れないでください。
相手が傷付いたり嫌悪感を抱くような行為はくれぐれもしないようにしてください。
具体的には下記のような場合です。
くれぐれも、時間を稼ぐ≠マナーが悪い にならないようにしましょう。
気持ちよくお互いがプレーできるようにしましょう。
さいごに
今回は、調子が悪いときに時間を稼ぐ小技集を紹介していきましたが、いかがだったでしょうか。
練習試合とか練習では、正直しない方が良いです。(嫌われるので)
トーナメントなど、どうしても負けられない時にだけ試してみるのが良いでしょう。
やはり勝てなければ楽しくないので、少しでも勝つ方法をつねに考えるようにしましょう。
ポイント間も試合の一部であるということを認識して、ポイント間にも気を配りましょう。
ではまた、どこかのテニスコートでお会いしましょう!
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