今回はテニスのアップ時にやるショートラリー(ミニラリー)について解説します。
ショートラリーはとても重要なので、なんとなく適当にするものではないので、
重要性と目的を理解して、しっかりと練習に取り入れましょう。
とても大事なショートラリーについてのマニアックなお話
ショートラリーとは?
まずショートラリーについての説明です。
ショートラリーとは、コートのサービスラインより中で打ち合うラリーのことです。
通常のロングラリーと比べて、お互いに前に出てストロークを打ち合います。
よく、アップなどで最初にすることが多いと思いますが、ただ単に体を温める目的ではなく、しっかりとした役割があります。
なんとなく弱く打つのではなく、しっかりボールコントロールを意識して打つようにしましょう。
ショートラリーを最初にやる理由
さて、ショートラリーをなんとなくテニスはじめにやるものだからやると思ってはいないでしょうか。
確かに、最初の種目として適切であることは間違いないのですが、理由も分からずただなんとなくやっているのでは、効果がないです。
ショートラリーには狙いがあり、これを意識するだけでプレーの質が大きく変わります。
ひとつずつ見ていきましょう。
目を慣らす(軌道、回転、距離感)
テニスは常に動くボールを目で追いかけるスポーツです。
両方の目で常に距離を測り、回転を判断し、軌道を予測する。
これを連続的に行っているため、実は目に負担がかかっています。
つまり、目が全く動くものに慣れていない状態で、速い球や遠くから勢いよく跳ね上がってくる球を正確に目で追おうとすると、目に急激な負荷がかかります。
そのため、ショートラリーのような短い距離で、比較的遅い球のショートラリーは目を慣らすのにとても適切だと言うことです。
ショートラリーをする時は相手の球がどのように回転がかかっていて、どのような軌道で、どこに跳ねるかを予測しながら、常にボールをみるようにしましょう。
試合でも大切なしっかりとボールを見るという習慣にもつながります。
ボールの縫い目まで見えるように意識するよう心がけてください。(実際はそこまで見えないと思いますが)
動くものを正確に捉える力はテニスではとても大事なので、日頃からしっかりと鍛えるようにしましょう!
回転をかけてボールを正確にコントロールする
ショートラリーはお互いが前に出て、狭いコート内でラリーをするため、相対的にネットが高くなります。
ネットを超えて、さらに相手のサービスラインの内側に収めるためには、しっかりと回転をかけてコントロールする必要があります。
通常のロングラリーでは、コートが広いので、狙いから外れてもコートに収まるので、気にならないかもしれませんが、
ショートラリーでボールにしっかり回転をかけてコントロールすることは意外と難しいものです。
試合でもネット近くでボールを処理しなければならない難しいショットを打たざるを得ない場面はあります。
そこでしっかりラケットを振って回転をかけて色々な場所にコントロールできるかが重要になります。
ショートラリーでは適当にふんわりとした回転のないボールでコート内に収めるのではなく、しっかり回転をかけて収めるように練習しましょう。
できるようになると、色々なところで役に立つので、是非意識して練習してください。
これができるようになると、ショートクロスを狙って打つことも可能になります!
弱で力で打てるようにする
ショートラリーは距離が短いので、手打ちになりやすく、スイングが途中で止まってしまう人がいます。
打つ距離を調整するのは、回転とスイングスピードでするべきなのですが、ちゃんと振らずに調整をしようとすると、当てるだけのスイングになってしまいます。
そのため、ショートラリーでは当てるだけにならず、しっかり最初から最後まで振り、回転をかけて、スイングスピードを緩めて距離をコントロールできるようにしましょう。
試合で当てるだけの球を打つ機会はないので、難しいですが、弱くしっかり打つという技術を身に付けましょう。
これができるようになると、通常のラリーでもコントロールが大幅に上がりますので、まずはしっかり振ることを意識してください。
弱く打つのにちゃんと振るってよく分からないかもしれないけど、しっかり振ってコントロールしていけばできるようになります。
正確にフットワークを意識する
ショートラリーではフットワークを意識することも重要です。
コートが狭いのであまり動く必要はないのですが、ショット打つ前の足運びをしっかり意識しましょう。
足運びを意識することで、ボールを打つ前の準備がしっかりとできるようになります。
自分の中でフットワークのリズムを整え、スムーズにショットを打てる状態に持っていけるようにしましょう。
あまり動かなくても打てるので、棒立ちでショートラリーをしている人いますが、大変もったいないので足を動かすようにしましょう。
ロングラリーだと足の動く幅が大きくなるので、細かいフットワークの調整はしづらいので、ショートラリーのときにやっておきましょう。
テニスは足ニスと言われるくらいフットワークが大事です。
遠くのボールに追いつくだけではなく、近くのボールに正確に入るのもフットワークの技術です。
インパクトのずれを確認する
最後にやるのが、インパクトのズレを確認する作業です。
今まで見てきた項目をしっかりやりながら、インパクトにズレがないか確認しましょう。
この作業を繰り返し、予測した通りにボールが跳ね、自分が出したい場所にラケットを出せるように微調整していきましょう。
ボールの跳ね方や軌道、そしてインパクトの調整は、コート状態や気候、ボールの種類、ラケットの状態、体調によっても微妙に変わってきますので、
その時に合わせたチューニングを自分にしていくという感じです。
これはロングラリーでは調整しにくい部分でもあるので、調整という意味でも上手にショートラリーと向き合っていきましょう。
ショートラリーからすでに色々始まっているといことです!
意味がなくなるショートラリーとは
先ほどのお話とほぼ反対のことになりますが、まとめると
ショートラリーといえど、馬鹿にせず意味のある練習だと思って、真剣にプレーすることが上達につながります。
ショートラリーも大事な練習であります。
ショートラリー上達方法
ショートラリーを上手に活用するための方法をご紹介します。
ショートラリーで試合をする
小さいコートを使ってポイント制の試合をすると良いでしょう。
5ポイント先取ぐらいで(お好みで)始めて、ショートラリーの枠内であればどこに入れてよいというルールで行います。
狭いコート内で行うため、正確に角を狙うコントロール、スライス・フラット・トップスピンなど球種を打ち分けて相手にミスをさせる能力、相手の読みを外し逆をつくテクニックなどが身につきます。
小さいコートだから磨かれる感覚もあるので、是非楽しんでやってください。
意外と盛り上がります!
100球ラリー
これはとにかくミスをしないようにしたい場合に有効です。
高校自体に学校の練習としてよくやらされて、100球成功するまで次の練習に移行できないというルールがあり、結構苦労しました。
ただ、デメリットとして100球やるために当てるだけになってしまう場合もあるので、そこは気をつけて正しいフォームを維持するようにしてください。
縛りプレーが好きな人は是非!
トップスピン・スライス・フラット全ての球種の練習として使う
しっかり回転をかけてコントロールすることが大事であるとお話しました。
しかしこれは、トップスピンだけの話ではなく、スライスにおいても同じことです。
できるだけ下回転をかけつつコート内に収める。
回転をかけるためには一定以上のスイングスピードが必要ですが、面の角度の調整が正確にできなければ飛びすぎてしまいます。
これを正確にできるようになると、通常のラリーのスライスでも回転量や軌道・スピードをコントロールできるようになり、多種類のスライスを打ち分けられるようになります。
フラットも同様に短い距離ではコントロールが難しいですが、面の角度やネットの通す位置などを微調整して、しっかりとコントロールできるようになりましょう。
どのショットも使えるとテニスの引き出しが多くなり、プレーの幅が広がります。
是非練習として取り入れてください。
特にスライスは短い距離をコントロールできるように慣れば、ドロップショットや浅めのスライスなど、プレーの幅が広がります。
ショートラリー不要論について
さて、ショートラリーの必要性について書いてまいりましたが、世の中にはショートラリーを不要だという方もいます。
ここまで読んでくださった方は。ショートラリーの大切さがわかってもらえたと思いますが、あえて必要ないと思う場合を書いていきます。
私はショートラリーがすきなので、10分〜15分ぐらいは取るのですが、別に5分でも十分だと思いますし、逆に15分以上は必要ないかなと思っています。
そんなに時間がかかるものでもないので、初級者や中級者には是非おすすめします。
外国ではやらない人も多いみたいですが、体が大きいからロングラリーで十分ショートラリーのようになるからでしょうか?
ショートラリーによって得られるもの
ここまで大事にすべきことを書いてきましたが、ショートラリーによって得られるもの(試合で使えるもの)は、
短い球をコントロールする力 です。
ショートクロスやドロップショット、前にでながら打つアプローチショットなど、ベースライン近くから打つショットではないショットの感覚に大いに助けになります。
特に相手の短くなった球を打つ場合など、ベースラインより前で打つショットは試合が動く大事な場面であることが多いので、
そこでしっかりラケット振りコントロールできることができれば、しっかりとポイントを取り切ることができるようになります。
短い球を処理するのは難しいですが、難しいからこそ日頃から意識してやっておく必要があります。
さいごに
ショートラリーについて説明してきましたが、いかがだったでしょうか。
ショートラリーを制するものは、テニスを制すとまではいいませんが、初心者や中級者にとっては、とても大事な練習になると思っています。
是非、なんとなくショートラリーをするのではなく、しっかりと意識を持ち練習してください。
テニスは考えてプレーすれば必ずうまくなりますので、常に考えることをやめずにプレーしましょう。
ではまた、テニスコートで会えるのを楽しみにしております!
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